どうか僕を汚して下さい。
*Saint Mary*
2005-2002.T・U・E.WhiteBox.Rin Inoue.Josefine-kainahime
"Saint Mary" マリア様。 見知らぬ乞食にも恩恵を与えて下さると言うのならば、 どうか僕に汚れ≠与えて下さい。 マドンナ・リリーが与える清浄を、 僕に穢れとしてお与え下さい。 † † 僕はずっと、物心付いて気付いた時から一人だった。 僕を抱く腕も、眠りのキスをくれる人もなかった。 だから、僕は汚れてなかった。 路地裏の腐った小道、 僕と同じような人がある日死んだ。 飢えと、寒さと、そして心無い暴力とで、死んだ。 その人は優しい人ではなかったし、 僕に暴力を振るった事さえあったし、 僕だっていつも寒いから、 僕は泣かなかった。 ただ、その人の骸を、 蹴るより冷ややかに見つめた。 路地裏の反対側、高級居住が並ぶ小道、 僕を買った事のある人が、ある日死んだ。 豪勢な毒入りの食事、そして放火、その人は私刑を受けて死んだ。 その人はうわべだけの優しさで、 僕に暴力を振るう事もなかったけど、 僕はいつものように寒かったから、 泣かなかった。 ただ、その人の棺を、 遠くから殴るより冷ややかに見つめた。 夕暮れが近付いて、 辺りが昏く、寒くなってきた頃、 僕はまた、別の裕福な人に買われた。 その人はやっぱりキスをくれない。 そして抱き締める腕もない。 ベッドの上に放り投げて、 服を脱がせるより早く、 僕をただ貫いた。 腕を捻じ曲げられ、 出来るだけ非道いやり方で、 その人は僕を責め苛んだ。 "蝋燭が燃え尽きるまで" それが紙幣5枚とコインいくつかの代償の約束。 溶けた蝋の匂いが頭にこびり付いて、 吐き気を催しても、 僕は泣かない。 「つまらねぇガキ」 顎を捕まれたまま、そう言われた。 「何をしても表情一つ変わらねぇ」 そのままベッドに叩き付けられた。 でも僕は理解ってる。 爛れて汚れた貴方の頭の中では、 穢れのない僕の事が離れない事を。 時間を惜しむように僕を苛み続けて、 やがて蝋燭が崩れ落ちても、 いつしか貴方は再度僕に差し向けるだろう。 今日よりも、もっと大きな蝋燭を。 それが貴方達の、遍く全ての僕以外が汚れてる証拠。 いくら綺麗に取り繕っても、 高価な衣服を身に着けても、 口汚ない罵詈雑言を僕にだけ聞かせる、 それを楽しんでる、 汚れて飢えた頭。 抱き締める腕がない。 眠りのキスがない。 僕は穢れない。 Saint Mary, Please give me uncleanness and many kisses. Please give me someone who give me a hug hard. Please give me something to believe. Please, 僕はずっと求め続けた。 紙幣5枚と約束を決める蝋燭で、 ずっと探し続けていた。 僕を汚して、穢して、 抱き締める腕と、眠りの前のキス。 僕の頭を犯し続ける、 狂おしい不浄な感傷に冒涜される日々を。 どうかその誰かの精液で、 僕を全身ずぶ濡れに、 僕を余す所なく汚して下さい。 僕を不浄に貶めて下さい。 僕を狂わせて下さい。 僕を愛して下さい。 誰かを愛させて下さい。 今日もまた誰かの死体を見た。 凍えた上に、誰かに蹴散らされた、 いつかどこかで僕を買った人だった。 腐臭で何も見えない。 でも、腐って汚れたその臭い、 僕以外は全て不浄だから、 僕はやっぱり冷ややかに見つめた。 昏い路地裏は、罵声が飛び交い僕の上を通りすぎる。 約束を決める蝋燭さえ買えない人たちだから、 代わりに暴力で僕を買う。 「金をふんだくる小憎らしいガキ」 それが僕の通り名でも、 僕に 名前なんかないから、好きに呼んでくれていい。 どうせ貴方達は汚れてる。 僕以外は、みんな汚れてる。 僕に暴力と楔を与えながら、 それでも僕に固執する、 とんでもなく汚く、穢れた貴方達は、全員もう知った。 どの顔もみんな、 僕を抱き締める腕じゃなく、 眠りのキスはくれない。 僕と同じ貴方達の誰一人、 僕を汚す事は出来なかったから、 僕は探し続けてるんだ。 紙幣5枚と蝋燭で探し続けてるんだ。 僕を汚してくれる、僕を抱き締める腕と優しいキスを。 そして、 遠くから澱み集まる声が聞こえた。 うす昏い灯りのない腐った歩道に、 1本の光が見えた。 悪態を吐きながら、どこか狙ってる目。 目を合わせない振りをしながら、信じたいような目。 興味を殺いで自前の話題に持ち掛けながら、噂をする目。 それを掻い潜り、 僕は見つけた。 マリア様。 僕に汚れ≠与えて下さい。 不浄で嗜みのない、 利口に生きない術を下さい。 Saint Mary, ねぇ、 貴方は僕を汚してくれる? 僕を抱き締める腕と、 眠る前のキスを、 沢山僕にくれる? ねぇ? そして僕は、 蝋燭もコインも、紙幣すら携えていない その光の元へ歩み寄って、言った。 確信に似た眩暈と。 『神様、俺を買って下さい』 |
シュワッチ!!(いきなり逃げ)
ああ・・・テーマはいいのに、 どーも最後が・・・・・・決まらない。 一気に書きすぎたかな・・? えーと今回解説が長いです(冷汗 異教徒だろうといいんです。 マリア様でも観音様でも、 慈愛を与えることに変りはないです。 厳密には違うが、 私が何となくマリア様を出したかっただけです(をい;) 此処はスラムのよーな所で、 孤児のチビカミちゃんは、 紙幣5枚で体売って生活してます。 表通りの金持ちさんでないと買えない金額です。 (コインちょっとは単なるチップ) 契約方法は、蝋燭に火を点けて見せて、 チビカミちゃんがそれを吹き消したらOKです。 時間は蝋燭が燃え尽きるまで。 だからより大きな蝋燭を持ってきた方がお得だし、 チビカミちゃんがゴネて中々火を消さなかったら、 段々時間が減っていくのです。 "汚れ"とは何か、って事ですが、 一言で言うと"愛情"です。 もっと汚い、独占欲や、激しく恋うる想い、 と言った方がいいでしょうか。 そんな想いを与えてくれる人に抱かれて めちゃくちゃにされた時、 彼はやっと本当に"汚れる"事が出来るのです。 美しさや清浄さは、 誰しも憧れや羨望の対象でしょうけど、 汚れる事が出来ないままって言うのは もっと切ないものだと思うのですよ。 (ようするに頭が冷めたまんまなのです) だからチビカミちゃんは、汚れた人に犯されて、 彼らを軽蔑しながらも、 そうなりたいと望んでいるのです。 でも、与えてくれる人がいない。 だから体を売って金持ちさんと接触してるんですな。 しかし、ウチのカミちゃんは"僕"称なんで、 最後に原作の科白を引用した時 「オーマイガッ!!」って感じ・・・・。 素直な自分&哀れな自分を演出したとでも解釈して下さい(爆 英文・・・あまりにデタラメくんだったので、 ちゃんと調べてこっそり直しました(^ー^;) 今度こそ間違ってはいないはず・・・・・。 そして、やっぱり"hard"がポイントらしい・・ あああ・・しかし解説長ッッ!!!!(呆 |