ワンルーム。















君は僕のいうことだったら、

何だってきいてくれちゃうワケ？

君は僕の欲しいものだったら、

何だってくれるの？








ソフトクリームが食べたい。

ホットチョコレートが飲みたい。

ジェリービーンズと同じ色のコースターが欲しい。

真っ赤で大きなダッフルコートが欲しい。









「しょーがねーな」って、

そんな事してくれちゃう、君がキライ。













トマトにはバジルがなきゃイヤ。

コーヒーはエスプレッソにして。

寒くても暖房つけるのは好きじゃない。

CKの香水なんかじゃ僕はそばにも近寄らない。













「そんなん、どーでもいーじゃねーかよ」

って言いながら、次の日にはその通りにしてる、君がキライ。







キライキライ。

大嫌い。











『僕の為』だなんて、

そんな余裕を見せて、僕を飛び越えていく、

大きな君がキライ。





「毎回言う事が違う」

って、ブツブツ言ってるその口の中。

僕が本当に欲しいのは、それだけ。






















いつだってそう。

昨日君が買ってきたグレープフルーツジュースは、もう飲まない。

昨日君がくれたヴィヴィアン・ウエストウッドの時計も、もういらない。

昨日欲しかったものも、

今日欲しかったものも、

本当は違うものだから。
















もっと僕を叱ってよ。

我侭だって怒ってよ。









僕はずっとそれを待ってる。

僕の自由を奪って、

僕の行動を諌めてくれる君を。




「そんな事するんじゃない」と、

僕の手をピシッと叩いて、

「そんな事言っちゃ駄目だ」と、

僕の言葉を遮って、















そして、そのあと、ぎゅっ として。































それをずっと待ってるくらい、

大キライな君を、大スキだから。



































今日もこのワンルームに、

僕が欲しがったガラクタがあふれる。

君がくれたものばかり、

僕がねだったものばかり。






今日はどんなお願いしようかな？

君はどんなものでもくれるから、

どんなお願いでもきいてくれちゃうから、






「今から、僕と一緒に死んでよ」

なぁんて言ったら、





君は一体どうするんだろうね？